紫外線ダメージで免疫力が低下!? 夏バテ対策としてもUVケアを

夏の肌荒れとは

夏は湿度が高いため、肌表面がカサつくような乾燥からの肌荒れを実感する方は非常に少ないと思います。また、春のように花粉が飛散しているわけでもないので、わかりやすいかたちで肌荒れを自覚しにくい時期でもあります。しかし、実は肌の内側で微弱な炎症が起こり、それによって肌がじわじわと弱っていってしまうのがこの時期の恐ろしいところです。

 

紫外線を浴びることで肌の内側に起こるダメージとは

夏は1年のうちで紫外線がもっとも強いシーズンです。日焼け止めなどを塗ってUV対策をしないと、紫外線の一部(UV-A)は真皮層にまで到達してダメージを与えます。そして肌の表面がカサついていなくても、肌の内側から潤い保持能力が低下してインナードライという状態を招く、ということはすでにご存知の方も多いと思います。これは、紫外線を浴びて発生した活性酸素が角質層に酸化ダメージを与えてバリア機能を低下させるということでもあり、結果的には体全体にも影響を及ぼす深刻なデメリットなのです。

バリア機能が低下すると、ウィルスも入りやすくなる?

例えば、子供のプール熱のように、プールから帰ってきた子供が翌日に熱を出すといった症状も、最近ではこのバリア機能の低下が関係しているといわれています。日中に強い紫外線を浴びたことで肌のバリア機能が低下すると、さまざまな刺激や異物が侵入しやすくなります。当然ながらウィルスに対しても免疫細胞がより反応しやすくなり、一時的に夏風邪のような症状が出やすくなるわけです。もちろん発熱の要因は、熱中症などによる場合も考えられますが、夏というのは強い紫外線を長時間浴びることで肌のバリア機能が著しく低下し、体の免疫力が落ちやすい時期であることは確かです。

紫外線+汗という環境下では、金属アレルギーも起こりやすい

また、紫外線によってバリア機能が低下すると、それ以外にもいくつかのトラブルが起こりやすくなります。いつも使っていた化粧品がしみたり、新しい化粧品を使うにあたっても、通常よりかぶれなどが出るリスクが夏は上がるということです。化粧品に限らず、夏は金属アレルギーなども起こりやすくなります。

これは紫外線によってバリア機能が低下することに加え、汗をかくことで、アクセサリーなどの金属の成分がイオン化し、それが肌の内部に侵入することでアレルギー反応が起きるためです。こうしたバリア機能の低下を防ぐには、やはり紫外線対策をしっかりすることです。トラブルが起こってしまってからのケアというのは難しく、予防の意識が夏の肌と体を守る近道となります。

免疫力低下のサイン=夏バテを防ぐ第一歩はUVケア

だるさや食欲不振など、いわゆる夏バテにはさまざまな症状がありますが、いずれも体の免疫力が落ちてきているがゆえの症状といえます。そして肌荒れや体調のトラブルがまだ表面化していない場合でも、夏バテ予防の一環でUV対策を強化しておいて損はないと思います。「日焼け止めの感触はどうも苦手で…」という方は、夏だけで良いので、低刺激な処方の心地よく使えるものを取り入れることをおすすめします。冬はファンデーションやフェイスパウダーなどベースメイクのSPF値・PA値で紫外線の影響をそれなりに軽減できますが、夏の紫外線の強さは冬とは比べものにならず、汗で流れてしまうことも考えるとやはり日焼け止めは必須です。

夏に入って、すでに肌の調子の不安定さや肌荒れの自覚がある方は、免疫力の低下を食い止めるためにもすぐに肌荒れのケアに取り組みましょう。では具体的にはどんなケアをすれば良いのか? 次回は、夏の肌荒れケアに関して寄せられたご質問にお答えしたいと思います。

 


Profile
茂田正和
スキンケアアドバイザー・化粧品開発者・日本皮膚科学会正会員
日東電化工業ヘルスケア事業部にて開発責任者を務めるほか、バランスケアアソシエーションを主宰する。皮膚科医、ヘアメイクアップアーティスト、美容ライター、料理研究家とともに真の美容のためのライフスタイルを提案するセミナーやワークショップを運営。

 

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